仮想通貨の譲渡を非課税とする改正は、平成29年7月1日以後に国内において事業者が行う資産の譲渡及び課税仕入れについて適用されています。
○平成29年6月30日までに行った仕入れ
消費税法30条1項1号は、課税仕入れを行った日を基準に、課税仕入れに係る消費税額を控除する課税期間を規定しており、これを前提に、消費税法30条2項1号は、その課税期間中に国内において行った課税仕入れにつき、その用途区分が明らかにされている場合に、個別対応方式により控除対象仕入税額の計算をする旨規定しています。この用途区分については、いずれも「要するもの」という文言が用いられ、実際にどのような用途に用いたかという結果による判断を要求していません。
また、消費税法34条、35条が、課税仕入れを行った課税期間において用途を変更した場合にも、調整対象固定資産についての調整計算の対象としていることからすると、課税仕入れについての用途区分の判定は、原則として、その課税仕入れを行った日の好況によって行うのであり、その判定に合理性があれば、結果的に現実の用途と異なったとしても、遡って修正する必要はないと解されています。
改正前においては、仮想通貨の譲渡は課税資産の譲渡となるので、平成29年6月30日までに行われた仮想通貨の譲受けについては、個別対応方式における仕入れの用途区分は、「課税資産の譲渡等にのみ要する課税仕入れ」となります。
また、「課税資産の譲渡等にのみ要する課税仕入れ」に区分した仮想通貨であっても、7月1日以後に譲渡すれば、非課税資産の譲渡等に該当することとなります。