姻族関係終了届と代襲相続

 結婚をすると、良いままで血のつながりのなかったものが配偶者として親族となり、配偶者の母など、3親等内の姻族も、民法上親族に該当する。ただ離婚した場合、姻族関係は終了する。しかし、離婚ではなく配偶者との死別の場合、生存配偶者と死亡した配偶者の血族との姻族関係はそのまま継続する。

 

 例えば、配偶者()が死亡した場合、生存配偶者()の血族との姻族関係は脂肪を理由に終了する一方で、夫の血族と妻の姻族関係は終了しない。生存配偶者が死亡した配偶者の血族との姻族関係を終了させるには、別途戸籍法96条に定める「姻族関係終了届」を提出する必要がある。

 届出をする理由は様々で、死亡した夫の親の介護をしたくない、嫁姑問題に嫌気がさした、などなどあるようだ。

 

 姻族関係終了届は生存配偶者のみが届出可能で、死亡した配偶者の親から届出を行うことは出来ない。また、姻族関係の終了は生存配偶者と死亡した配偶者の血族とのつながりにのみ適用される。

 

 例えば、生存配偶者()と死亡した夫との間に子ともがいて、夫の両親は存命とする。その後に夫の父が死亡した場合、子どもは代襲相続人に該当し、姻族関係終了届によって相続権が解消されることはない。

 

 また、届出書を提出した生存配偶者についても、死亡した配偶者の財産を相続で取得したとしても、相続財産は死亡した日に取得したものであるため、その時点にさかのぼって相続権がなくなることや、相続財産の返却する必要も当然ない。