課税事業者が免税事業者となる場合の調整

【事例】

 

 課税事業者が翌課税期間に免税事業者となる場合において期末棚卸資産に係る仕入控除税額の調整を行っていません。

 

【回答】

 

 課税事業者が免税事業者となる場合、免税事業者となる課税期間の直前の課税期間における期末棚卸資産(ちょくぜいんの課税期間中に課税仕入れ等を行ったものに限ります。)に係る消費税額については、その直前の課税期間の課税仕入れ等の税額から控除します。

 

【解説】

 

・制度の趣旨

 

 課税事業者が免税事業者となった場合には、課税事業者であった期間内に仕入れた商品等の棚卸資産を免税事業者となった課税期間に販売すると売上げに係る消費税が課税されません。そこで、その棚卸資産の消費税額は、課税事業者の課税期間における仕入控除税額の対象から除外しています。

 

 

・適用要件

 

①課税事業者(原則課税)が免税事業者となったこと。

②免税事業者となった課税期間の初日の前日の属する課税期間中に国内で譲り受けた課税仕入れに係る棚卸資産、又はその期間中に保税地域から引き取った課税貨物に係る棚卸資産であること。

③免税事業者となった課税期間の初日の前日において有する②の棚卸資産であること。

上記①~③のすべての要件を満たす場合には消費税額の調整の適用があります。