●婚姻期間20年以上の夫婦間では自宅の贈与に特例あり
婚姻期間が20年以上である配偶者から、居住用不動産(マイホーム)又は居住用不動産を取得するための現金の贈与を受けた場合には、贈与税の課税価格から配偶者控除として2,000万円を控除することができます。また、贈与税の基礎控除も同時に適用することができますので、実質的に2,110万円まで無税で贈与できます。
婚姻期間が20年以上であるかどうかは、婚姻の届出のあった日から贈与の日までの期間(入籍期間)で計算します。したがって、事実上の婚姻がされていても入籍がない場合には期間に含められません。
なお、この特例は同じ配偶者からは一生に1回しか受けられません。
●相続開始前3年以内の贈与加算の対象外
配偶者は精算課税制度による贈与は選択できません。したがって暦年課税によることになります。一方、贈与してから3年以内に相続が起こると、その贈与財産は相続税の課税財産に加算され、相続税が課税されます。しかし、贈与税の配偶者控除の特例は、3年以内の贈与加算の適用外ですので、直前対策としても十分効果があります。
ただし、「小規模宅地等についての相続税の課税価格の特例」を受ける宅地がなくなってしまうこともありますので、検討したうえで実行してください。
●一筆の土地で居住用以外に利用しているときは要注意
居住用財産を贈与する場合に、一筆の土地を居住用と青空駐車場や貸倉庫などの居住用以外の用途に利用している場合、そのまま贈与すると問題が生じます。この特例は居住用不動産やその取得資金の贈与のみに適用があるからです。分筆してから贈与する等の工夫が必要です。
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