贈与税は贈与によりもらった財産のすべてに対して課税されるものですが、財産の性質や社会通念、公益的配慮などから贈与によりもらった場合でも贈与税がかからないものがあります。
● 家族から生活費や教育費、社交上必要な見舞金など
配偶者や両親、祖父母などの扶養義務者から日常必要とされる費用に相当する額を贈与された場合には贈与税は課税されません。ただし、生活費として渡された財産を預金したり、不動産や株式、自動車を買う費用に充てたりすると贈与税がかかります。また、お祝い、お見舞、香典やお歳暮・お中元などの贈答品はそれが社交上必要なもので、常識の範囲のものであれば贈与税はかかりません。
ただし、孫の学費をいったん所得のある子の口座に振り込み、子に学費を払わせたような場合には非課税財産とはなりません。子が孫の学費を払える場合には、子への単なる資金贈与となるからです。必ず直接負担するようにしてください。なお、直系尊属からの教育資金一括贈与の非課税特例や、結婚・子育て資金一括贈与の非課税特例がありますので、この制度を活用すればより高額の贈与が可能です。
● 家族に専従者給与として事業の成果を配分する
個人で事業を行っている場合、同居の家族がその事業の仕事を行っている場合において、青色を申告を選択し、一定の要件を満たしている場合に限り、労働の対価として相当である金額の「青色専従者給与」を支払っているときには、その金額を必要経費にすることが所得税法で認められています。これは生前に事業の成果を正しく贈与する方法であると考えることもできるでしょう。
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