一挙に精算課税贈与か長期の暦年課税贈与か

 

 

● 金融資産はそのままでは評価が下がらないため暦年課税が有利

 

 

 

 預金や国債等の社債、投資信託などの金融資産は、相続発生時点の価額で評価されます。これらのものは基本的に現在の売却可能金額が評価額になりますので、不動産や株式、取引相場のない株式などのように評価差額を利用した節税にはなりません。

 

 

 

● 一般的には精算課税を選択するとほとんど節税効果がない

 

 

 

 金融資産の贈与につき精算課税を選択した場合はよほど運用利回りが高くないと効果はありません。

 

 

 

● 運用利回りの高いものの贈与は精算課税制度の選択も

 

 

 

 長期にわたって保有している投資信託などで高い運用益を得ているものがあれば、相続時精算課税制度で一挙に贈与することも考えられます。運用益部分については無税で贈与した場合と同様の効果があります。

 

 

 

● 長期間かけた暦年課税による贈与は効果抜群

 

 

 

 金融資産を中心に相続財産を毎年少しずつ長期間贈与し続けた場合、相続発生時に節税効果が期待できます。

 

 例えば相続財産5億円の方が、2人の子とその配偶者、それぞれの孫2人ずつ計8人に毎年200万円を10年間贈与し続けた場合、何の対策もしない場合と比べて一次相続、二次相続の相続税の総額と贈与時に支払った贈与税を合計して約4,000万円ほど少なくなります。

 

 

 

● 相続開始前3年内の贈与財産の加算

 

 

 

 相続開始前3年以内に取得した贈与財産は相続財産に加算して相続税を計算することになっています。その上で、相続税の額からすでに支払った贈与税があれば、その分を差し引くことになります、。